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梅津庸一の展覧会が大阪・国立国際美術館で - “「つくる」ことの可能性”絵画・陶芸・版画など一堂に

特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」が、大阪の国立国際美術館にて、2024年6月4日(火)から10月6日(日)まで開催される。

梅津庸一の活動の軌跡をたどる

梅津庸一 《集団意識》 2021年
紙に水彩、インク、アクリル、油彩、エナメル
みそにこみおでん蔵 画像提供:艸居
梅津庸一 《集団意識》 2021年
紙に水彩、インク、アクリル、油彩、エナメル
みそにこみおでん蔵 画像提供:艸居

梅津庸一(うめつ よういち)は、1982年に生まれ、現在は神奈川・相模原と滋賀・信楽を拠点に活動する現代美術家だ。絵画やドローイング、陶芸、版画といった作品制作ばかりでなく、私塾「パープルーム」の主宰、ギャラリーの運営、批評テクストの執筆など、幅広い活動を展開してきた。

梅津庸一 《霞ヶ浦航空飛行基地》 2006年
板に銀、真鍮 高橋龍太郎コレクション
梅津庸一 《霞ヶ浦航空飛行基地》 2006年
板に銀、真鍮 高橋龍太郎コレクション

梅津は、大学の造形教育、アートマーケットのあり方、あるいは制作を下支えする産業構造など、美術をめぐる制度に批判を加えてきた。その背景には、日本という国において、美術家として生きることはいかにして可能なのか、という問いがある。特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」では、梅津の活動の軌跡をたどりつつ、「人がものをつくる」という可能性を再考してゆく。

自画像とドローイング、公と私

梅津庸一 《智・感・情・A》 2012-14年
布、パネルに油彩 東京都現代美術館蔵 撮影:大谷一郎
梅津庸一 《智・感・情・A》 2012-14年
布、パネルに油彩 東京都現代美術館蔵 撮影:大谷一郎

梅津は、日本の洋画の歴史を参照しつつ、裸の自画像を手がけることで知られている。たとえば《智・感・情・A》は、近代洋画の巨匠・黒田清輝の《智・感・情》に基づくものだ。いわば日本における「美術」という制度の始祖をふまえた制作によって、梅津は、「この国で美術家として生きること」の可能性を問い直すことを試みたのだった。一方、梅津のドローイングは、制作への個人的な関心を示すものである。本展の序盤では、公と私にわたって展開される、梅津の仕事を紹介する。

絵画から陶芸へ、陶芸から絵画へ

梅津庸一 《フェンスにもたれかかるパームツリー》 2021年
陶 作家蔵 撮影:今村裕司 画像提供:艸居
梅津庸一 《フェンスにもたれかかるパームツリー》 2021年
陶 作家蔵 撮影:今村裕司 画像提供:艸居

2021年の春、日本を代表する陶磁器窯である信楽に移住した梅津は、作陶に取り組むようになった。手探りで進められるその制作において、梅津は、かつて絵画で取り上げた主題を陶芸へと移しかえ、あるいは陶芸を手がけるように絵画を手がけている。会場では、《フェンスにもたれかかるパームツリー》や《幻視》といった陶芸作品を目にすることができる。

制作を下支えする構造

梅津庸一 《sleep in the sky》 2022年
陶 作家蔵 撮影:今村裕司
梅津庸一 《sleep in the sky》 2022年
陶 作家蔵 撮影:今村裕司

作陶は、窯という施設や工人のサポートを欠くことができない。こうしたなかで梅津は、「つくる」とは個人だけに帰属するのではないという事実を改めて実感し、自身の制作を下支えする「インフラ」への意識を強めることになった。これは、摺師とともに制作を行う版画というジャンルにも通底する。本展の後半では、制作という営為をより広い射程から捉える、梅津の実践に光をあてる。

展覧会概要

特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」
会期:2024年6月4日(火)〜10月6日(日)
会場:国立国際美術館 地下3階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00閉館)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月15日(月・祝)、8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)・24日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 700円(600円)
※( )内は20名以上の団体および夜間割引料金(夜間割引の対象時間は、金・土曜日の17:00〜20:00)
※高校生以下・18歳未満、心身障がい者および付添者1名は無料(いずれも要証明)

【問い合わせ先】
国立国際美術館(代表)
TEL:06-6447-4680

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